保育士としての経験を活かし、
子育て中に感じやすい悩みや日々の関わり方を、分かりやすくまとめています。
「1歳半を過ぎたけれど、まだ意味のある言葉が出ない」
「周りの子はもっとお喋りしているのに、うちの子は遅いのかな?」
検診の後や、園の廊下でお友達がハキハキ話す姿を見た時、ふと不安が胸をよぎること、ありますよね。
保育士として20年、多くのお子さんとご家族を見守ってきましたが、言葉の発達には本当に個人差があります。
今回は、不安でいっぱいのママ・パパへ、専門的な視点と「お家で今日からできること」を優しくお伝えします。
実は、私も「言葉が遅いかも」と言われた一人です
ここで、私の個人的な体験をお話しさせてください。
実は私、息子が1歳児クラスの時の個人懇談で、担任の先生から「少し、言葉がゆっくりかもしれませんね」と言われたことがあるんです。
その時、保育士である私でさえ、「えっ、そうなの?」と心臓がドキッとしたのを覚えています。
でも、面白いことに息子は、家では(不明瞭ながらも)一生懸命たくさん喋っていたんです。
彼にとって、外の世界や園での集団生活は、まだ「言葉を出すこと」よりも「周りを観察すること」で精一杯だったんですね。
「家では出ているけれど、外では出ない」
「言葉は出ないけれど、こちらの言うことは理解している」……。
言葉の発達には、いろいろな形があります。
まずは、数字や平均にとらわれすぎないでくださいね。
言葉は「心のコップ」に溜まっている最中
よく言葉の発達を「コップの水」に例えます。
外からは見えなくても、お子さんの心の中にある「言葉のコップ」には、毎日ママやパパがかけてくれる温かい言葉がポタポタと溜まっています。
それが溢れた瞬間に、初めて「言葉」としてお口から出てくるのです。
今はまだ、コップいっぱいに溜めている、とても大切で尊い準備期間かもしれません。
「教える」よりも「共感」して、コップを満たそう
「これ何?」「リンゴって言ってごらん?」と教えようとすると、子どもにとっては少しプレッシャーになってしまうことも。
言葉を育む一番の栄養は、「伝わる楽しさ」を知ることです。
- お子さんが指を差した時: 「あ!ワンワンいたね!大きいね」
- お子さんが何かをじーっと見ている時: 「キラキラしてて、きれいだね。びっくりしたね」
「自分の気持ちが伝わった!」という喜びこそが、言葉を出したいという意欲のガソリンになります。
ママやパパが「実況中継」をするように、お子さんの世界を言葉にしてあげましょう。
今日からできる!言葉を育む「触れ合い遊び」
特別な教材はいりません。ママやパパの「声」と「肌の温もり」が、脳への一番の刺激になります。
- ① ラララぞうきん(マッサージ遊び)
お子さんの体をぞうきんに見立てて、歌いながら「なでなで」「ギュッギュ」と触れ合います。リズムと感触が合わさることで、脳が心地よく刺激され、リラックスした状態で声を出しやすくなります。 - ② いないいないばあ
「次は何が起きるかな?」という期待感が、コミュニケーションの基礎である「やり取り」の力を育てます。 - ③ 絵本の読み聞かせ(自由に!)
文字通りに読まなくてOK!「あ、アリさんだ」「おいしそうだね」と、絵を見ながらお喋りを楽しむ時間を持ちましょう。
保育士として、ママ・パパに伝えたいこと
もし、どうしても不安が拭えない時は、一人で抱え込まずに園の先生や市区町村の相談窓口を頼ってくださいね。
それは「恥ずかしいこと」ではなく、お子さんのために一歩踏み出した「素晴らしい愛情」です。
でも、まずは今日、目の前のお子さんと笑い合う時間を大切にしてください。
「言葉の成長」と「愛情の深さ」は、決して比例するものではありません。
お子さんは、あなたの笑顔をちゃんと見ています。
あなたの声を、ちゃんと聴いていますよ。
そのコップが溢れる日を、一緒にゆっくり待ってみませんか。
▼集団生活(慣らし保育)に入ることで、言葉の刺激も増えますよ▼

コメント