保育士としての経験を活かし、
子育て中に感じやすい悩みや日々の関わり方を、分かりやすくまとめています。
「ママー!パパー!」と泣き叫ぶ我が子を、後ろ髪を引かれる思いで先生に託す朝。
保育園の玄関で、自分まで涙が出そうになりながら仕事へ向かう……。
4月の保育園の玄関は、そんなパパ・ママたちの「切ない思い」で溢れています。
「こんなに泣かせてまで、預けるのはかわいそうかな?」
「私のわがままで寂しい思いをさせてごめんね」
そんなふうに自分を責めてしまっているママ・パパに、保育士として20年、たくさんの涙を見守ってきた私から、大切なお話をさせてください。
「泣く」のは、親子の絆が深い証拠
慣らし保育で子どもが泣くのは、決して「かわいそうなこと」ではありません。
むしろ、「パパ・ママが世界で一番大好き!」「この人がいれば安心!」という、強い愛着関係がしっかり築けている証拠なんです。
今までずっと一緒にいた大好きな人と離れるのですから、不安になるのは当たり前。
泣くのは、お子さんが一生懸命「自分の気持ち」を表現している、とても健康で尊い姿なんですよ。
保育園での「顔」は家とは違う?
驚かないでくださいね。
パパ・ママの姿が見えなくなった後、多くの子どもたちは数分(時には数秒!)で泣き止み、おもちゃを手に取ったり、お友達の様子をじーっと見たりし始めます。
子どもは、パパ・ママがいない環境で、自分なりに「ここはどんな場所かな?」と新しい世界を探索し、小さな冒険を始めているのです。
泣き顔の裏側で、お子さんは一歩ずつ、確実にたくましく成長しています。
実は私も、保育園の玄関で泣いた一人です
ここで少し、私自身の話をさせてください。
20年も保育士をしていて、数え切れないほどの親子を送り出してきた私ですが、いざ自分の息子を預ける時は……もう、ボロボロでした(笑)。
先生に息子を託し、園の玄関を出た瞬間に涙が止まらなくなって、仕事に向かう道中
「私、ひどい母親かな」
「あんなに泣くなら辞めたほうがいいのかな」
と自分を責め続けたこともありました。
でも、お迎えに行った時、先生が「お母さんの姿が見えなくなったら、すぐ泣き止んで遊んでいましたよ」と教えてくれました。
その時、「ああ、泣くのは私と離れる『瞬間』が寂しいだけで、この子はもう自分の足で歩き始めているんだ」と気づかされたんです。
プロである私ですらこうなのですから、皆さんが不安になるのは当たり前。どうか自分を責めないでくださいね。
送り出す時は「笑顔」と「魔法の言葉」を
別れ際、パパ・ママが不安そうな顔をしていると、子どもはその不安を敏感に察知して、ますます泣いてしまいます。
どんなに胸が痛んでも、最後はニコッと笑って、こう声をかけてあげてください。
「大丈夫だよ。お仕事終わったら、すぐにお迎えに来るからね!」
そして、心の中で「ごめんね」と言う代わりに、「ママ(パパ)をお仕事に送り出してくれてありがとう。一緒に頑張ろうね」と、感謝の気持ちを込めてみてください。
その前向きな気持ちは、不思議とお子さんにも伝わります。
先生たちを「チーム」だと思って頼って
私たち保育士は、泣いているお子さんを「かわいそう」とは思っていません。
「私たちを信頼して預けてくれてありがとう。これから一緒に、この子の成長を見守っていこうね」
という気持ちで、お子さんを抱きしめています。
不安なことがあれば、何でも伝えてくださいね。
「朝から全然泣き止まなくて……」
「家でこんな様子で……」
そんな小さな共有が、先生との信頼関係を作り、結果的にお子さんの安心感に繋がります。
おわりに
慣らし保育は、お子さんだけでなく、パパ・ママにとっても「親としての慣らし期間」です。
今は少し切ないけれど、数ヶ月後には「バイバーイ!」と笑顔で手を振って駆け出していく我が子の背中に、驚く日が必ず来ます。
大丈夫。
お子さんは、あなたが思っているよりずっと、強くてしなやかです。
今日もお迎えの時は、最高の笑顔で「頑張ったね!」と抱きしめてあげてくださいね。
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