保育士としての経験を活かし、
子育て中に感じやすい悩みや日々の関わり方を、分かりやすくまとめています。
公園の砂場や児童館で、お友達が使っているおもちゃを急に奪ってしまったり、「貸して」と言われて「イヤ!」と背中を向けたり……。
親としては「ごめんね!」と相手のママに謝りながら、「早く『いいよ』って言いなさい!」と焦ってしまう場面ですよね。
でも、安心してください。
2歳児にとって「貸す」というのは、実は宇宙一難しいミッションに挑んでいるようなものなんです。
今回は、保育現場で行っている、子どもの社会性を優しく育てる「仲立ち」のコツをご紹介します。
2歳児にとって「おもちゃ」は自分の体の一部
2歳児はまだ「自分」と「他人」の境界線がとても曖昧です。
彼らにとって、今手に持っているおもちゃは、単なる道具ではなく、いわば「自分の体の一部(延長)」。
それを「貸して」と言われるのは、自分の腕や足を「ちょっと貸して」と言われているような衝撃なんです。
「貸せない=意地悪」ではなく、「今は自分の世界を大切に守っている時期」だと捉えてみましょう。
この「自分のもの!」という強い執着こそが、自分という人間を確立しようとしている、立派な成長の証なのです。
保育士も実践!トラブルを防ぐ「魔法の仲立ち」3ステップ
① 「貸して」に「いいよ」と言えなくても100点
無理やりおもちゃを取り上げてお友達に渡すと、子どもには「大切なものを奪われた」という悲しみと不信感だけが残ります。
貸せない時は、大人が間に入って
「今はこれで遊びたいんだよね。これが終わったら貸してあげようね」
とお友達に伝えてあげましょう。
「今は自分の番」という安心感が積み重なると、心に余裕が生まれ、いつか自分から「どうぞ」ができるようになります。
② 「あと10回」で終わりの見通しを立てる
「順番こ」が難しい時は、数字を味方につけましょう。
「あと10回トントン(砂遊び)したら交代しようね。1、2、3……」と一緒に数えることで、
「いつ終わるかわからない不安」が「10になったら終わり」という見通し
に変わります。
10まで数え終わったとき、「はい、どうぞできたね!かっこいい!」と大げさに褒めることで、「貸す=嬉しいこと」という上書きができます。
③ 「言葉」で伝えられたことを褒めちぎる
おもちゃを借りる側になった時も、「貸して」と言えたら、たとえ相手が貸してくれなくても「ちゃんと言えたね!言えたのが偉いよ!」と、
その言葉でのアプローチを全力で肯定してあげてください。
「叩いて奪う」のではなく「言葉で伝える」ことが正解なんだ、と学んでいくプロセスが大切です。
我が家でのエピソード:家庭でも「仕事と同じ」仲立ちを
我が家でも、兄弟間での貸し借りトラブルは日常茶飯事でした。
かつての私は、つい「お兄ちゃんでしょ!貸してあげて!」「意地悪しないの!」と頭ごなしに叱ってばかり。
でも、そうやって叱り飛ばしても、子どもはふてくされ、私はイライラが募るだけ……という悪循環に陥っていました。
ある時、ふと「これって仕事(保育園)でのトラブルと同じじゃない?」と気づいたんです。
それからは、家でも保育士としての「仲立ち」を意識するようにしました。
まずは両方の言い分を「あっちに行きたかったんだね」「これはまだ使いたかったんだね」と100%受け止め、お互いの思いを通訳してあげる。
不思議なことに、親が「ジャッジ(審判)」ではなく「仲立ち(通訳)」に徹すると、子どもたちは少しずつ落ち着き、納得して譲り合える場面が増えていきました。
まとめ:社会性は「安心感」の土台から育つ
「自分の気持ちを丸ごと認めてもらった」という安心感があって初めて、子どもはお友達(や兄弟)の気持ちを思いやれる余裕が生まれます。
今は無理に「いいよ」ができなくても大丈夫。
ママ・パパが一番の味方になって、ゆっくり「社会性」の種をまいていきましょう。
その種は、成長するにつれて、必ず綺麗な「優しさ」の花を咲かせますよ。
2歳を過ぎ、3歳・4歳になるとさらにお友達との関わりが複雑になります。
▼次のステップについてはこちら▼
■3歳・4歳は「社会性」の伸び盛り!お友だちとのトラブルから学ぶ、心の育て方

コメント